Monthly
Special * March 2001 William Blake |
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Piping
down the valleys wild |
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序 歌
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Spring
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春
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William Blake については November
2000 を参照のこと。 ともにSongs of Innocenceより。 "Introduction"の 'a Lamb'は、イエス・キリストをも意味するとの解釈が一般的である。全体に子供らしくあどけない言葉遣いと雰囲気であるが、その線で読めば、実はこの無邪気な子供は、この詩人に詩人としての使命を与え、そのため彼はおそらく苦難の道を歩むことになるであろう、あたかも神のような存在である。 引用符なしで書かれる子供の言葉は、この子供が詩人の(想像力の)一部であることを示しているとも考えられる。 "Spring"にも'Lamb'が出てくる。それに続く'Here I am'については、聖書中では神の前で「ここにおります」の意味で使われることの多い文句であることをBlakeは意識している、との指摘もされる。 各連のラストは年末か新年に相応しい言葉であるが、春を「全てが新しく始まる嬉しい季節」と感じるのは、生きるものに共通した自然な感覚ではないだろうか。それ故、しばしばメランコリーな夜の鳥と見なされるナイチンゲールまでが、明るい昼の鳥ヒバリとともに楽しげに歌っているのである。 どちらの詩ももちろん、必ずしも宗教的に解釈しなければならないというわけではない。むしろ、やさしい、かわいい雰囲気を、これらの詩の魅力として楽しみたいと思う。 |