Wee Willie Winkie, Under the Deodars,
the Phantom 'Rickshaw,
and Other Stories
インド時代初期の短編集。ほとんどの作品は定期刊行物に掲載され、さらに1888年に
'The Indian Railway Library' として Under the
Deodars (No. 4)、The Phantom 'Rickshaw
(No. 5)、Wee Willie Winkie (No. 6) の順に出版、1895年に1つにまとめられた。
Wee Willie Winkie は子供を主題とする。'Baa,
Baa, Black Sheep' は自伝的作品で、事実そのものではないであろうにしても、Holloway家で
Kipling がうけた精神的傷がうかがわれる。
The Phantom 'Rickshaw には、恐い話が集められている。'My
Own True Ghost Story' をのぞく3編は、よく知られている。特に
'The Man Who Would Be King' と 'The Phantom 'Rickshaw'
の評価は高い。
Under the Deodars は、アングロインディアン(在印英国人)の生活を扱う。出版当時、'The
Hill of Illusion' の評価が高かった。
ここに集められた作品は、書かれた時期としては
Plain Tales と同じか少し後にあたる。しかし、アングロインディアン社会の出来事がより多く取り上げられており、特に
Under the Deodars には Kipling
がそれによって評価された「native life」の要素があまり見られない。
もう一つの特徴は、Kipling の子供に対する興味である。彼は6才のときに彼の楽園であったインドを離れ、本国で不本意な下宿生活を余儀なくされた。そのためか、インド生活にとけ込んだ6才くらいの子供が理想的にあるいは共感を持って描かれる。Plain
Tales の 'Tods' Amendment' の Tods も「6才くらい」だったが、'Wee
Willie Winkie' では不自然に理想化されており、今日評価は低い。
これら3つの短編集は、1889年に第2版が、その翌年にはロンドン版が出版されており、当時の人気がうかがえる。
あらすじ
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