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SPECIAL * September 2001 Lewis Carroll |
KNOT 1 THE ruddy glow of sunset was already
fading into the sombre shadows of night, when two
travelers might have been observed swiftly--at a pace of
six miles in the hour--descending the rugged side of a
mountain; the younger bounding from crag to crag with the
agility of a fawn, while his companion, whose aged limbs
seemed ill at ease in the heavy chain armour habitually
worn by tourists in that district, toiled on painfully at
his side. |
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こんがらがった話
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"… and such a rebuke will be meet." "meet"は同音異義語の洒落。 (1)形容詞 meet「…に適当な、ふさわしい」→ 咎め立ても仕方あるまい。 (2)名詞 meat「食物」→ 咎め立てが食物であるだろう(料理はなくて) ともに古い使い方である。 → 「老騎士は(1)の意味で言ったのだが、若い騎士は「食い物ならぬ小言を食う」と、洒落にとった。訳は「小言を食うのだな」とした。 "… his answer will be tart!" "tart"には2つの意味がある。 (1)形容詞「(態度…言葉などが)辛辣な」→ きつい答えが返ってくるだろう (2)名詞「タルト(小型オープンパイ)」→ 出してくれるのはタルト → 老騎士は(2)の意味だと思ったので「デザート」と言った。「出す料理などない」という予測される亭主の言葉と、「デザート」から、訳は『ナシ』とした。「無し」と「梨」。 |
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Lewis Carroll (1832-98) 本名 Charles Lutwidge Dodgson。1855年から 1881年まで、母校 Oxford大学で数学を教えた。生涯を通じて独身、そのほとんどを学寮で過ごした。少女をこのうえなく愛したといわれる。 1862年、学寮長Dr. Liddellの3人娘を連れて彼と友人とでピクニックに出かけた際に、次女Aliceを主人公にした物語を即興で語って聞かせたのが、有名な Alice's Adventures in Wonderland (1865) 『不思議の国のアリス』の原型である。 Carrollの作品は子供を対象としたファンタジーの物語だが、ユーモアとナンセンス、そしてそのロジックは、大人にとっても魅力的である。 時の女王Victoriaが Lewis Carrollの作品に興味を持ち、さらに他の著作を所望したところ、届けられたのは数学の専門書であったという逸話が残っている。 A Tangled Tale (こんがらがった話)には、数学の問題を織り込んだストーリーが10編収められている。「Knot 1」など、章の番号に使われている「knot」には、「結び目」の他に「難題」の意味もある。それぞれのストーリーについて解答と解説があり、読者から寄せられた解答へのコメントも載せられている。 さて、ではこの問題を解いてみてください。Carrollによれば、彼のもとに寄せられた回答数は27、うち正解が9、半分正解が16、間違いが2で、半分正解の解答はどれも頂上到達時刻に関して間違っていたそうです。 |