Monthly
Special * September 2006 Rudyard Kipling |
THE
CHANGELINGS
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仮の姿
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Rudyard Kipling (1865-1936) Rudyard Kipling にいては、 2002 January を参照のこと。 The Changelings: Debits and Credits, 1926. changeling: 民間伝承で、妖精が人間の子供を盗む代わりに置いていく醜い妖精の子供のこと。取り替え子。 R. N. V. R.: Royal Naval Volunteer Reserve (英国海軍志願兵予備隊) Hoisted us heavens-high: Penguin Books Debits and Credits の編注者 Sandra Kemp によれば、『詩篇』 108: 26 が反映しているという。(1987年版の注で「108: 26」となっているのは、「107: 26」のミスプリントと思われる。) 詩篇 107: 25 主が命じられると暴風が起こって、海の波をあげた。 26 彼らは天に昇り、淵にくだり、悩みによってその勇気は溶け去り、 (日本聖書協会、1955年) インドでデビューした頃、Kiplingはインド陸軍の兵士を作品の題材としたが、彼らは「プロの」兵士であった。職業軍人となるべく教育を受けた将校や、本国でそれぞれが持っていた生活と決別して入隊した兵卒だった。 第一次大戦を背景として書かれたこの詩では、日常生活を中断して戦場を体験した「市民」が、ふたたび日常生活に戻る。 インドものにおいては、「一般人」は「civilan」と呼ばれ、軍関係者とは一線を画していた。しかし、ここでは、あちらとこちらを行き来するのである。 もとの日常に戻った二人は、しかし、もとの彼らだろうか。外見は同じでも「取り替え子」なのではないか?――戦場で見たものが彼らの精神に入り込み、彼らになりすましているのではないか? それとも、妖精に連れ去られた後に戻された子供のように、どこか何かが違うのではないか? ほら、眠りから消えることのないものは、向こうの世界なのだ。 シンプルで控えめな言葉で書かれているために、かえって不気味さが深まっているようだ。 |