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Special * November 2006 Thomas Hood |
I Remember, I Remember
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Thomas Hood (1799-1845) Londonn 生まれ。1821年から23年まで The London Magazine の副編集長を務め、Lamb や Hazlitt、De Quincey らと知り合う。その後、順次様々な雑誌を編集した。ユーモラスな中にヒューマニズムが感じられる作品が知られている。 現在はマイナーな詩人と見られるようだが、19世紀には人気があったらしく、F. T. Palgrave (0824-97) によるアンソロジー The Golden Treasury of Songs and Lyrics (1861; second series, 1896) には Wordsworth や Tennyson と並んで2編ほど選ばれている。 子供の頃は朝が来るのが待ち遠しく、夜などやって来て欲しくなかった。しかし今では夜のうちに死んでしまっていたらよかったのにとさえ思う。それほど憂鬱らしい。 確かに子供には子供の悩みがあり、生きていたくないと思う時だってあるけれど、それは大人になってみれば大して深刻なものではない・・・だろうか? その時々で、いつも新しい悩みは最大に感じられるのではないだろうか。だから、子供の頃は元気一色だったとするのは、いかがなものかと思う。美化しているのでなければ、忘れているのかも。 それに対して、ある人の記憶も縁のものも現存しているのにその人がいない、そんな時のぽっかり開いた穴のような感覚は、よくわかる。 「天から遠い」のは、次のどちらだろう? (1)「神から遠い」つまり大人は堕落している (2)「死から遠い」人生に嫌気がさしているのになかなか死ねない 子供の頃と比べて「遠い」のだから、やっぱり (1) ということなのだろう。 |