Monthly
Special * March 2006 Coventry Patmore |
THE TOYS
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玩 具
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Coventry Patmore
(1823-96) 大英博物館図書館に勤務。Tennyson や Ruskin の友人であり、ラファエロ前派のメンバーとも交際するようになり、その機関誌 The Germ に作品を発表した。(機関誌は第3号から Art and Poetry にタイトル変更、合計4回発行された。) 初期の作品集 The Angel in the House では結婚と家庭生活の幸福を称えたが、その妻は 1862年に死亡。1877年に出版されたのが、The Unknown Eros で、妻を失った悲しみとともに、より高い人間性が表現されているといわれる。 Patmore はその後2回再婚、晩年は裕福な地主として悠々自適の生活を送った。 'The Toys' はThe Unknown Eros に収められた作品で、息子に対する父親の愛情と、男手ひとつで子供を育てることの難しさに戸惑う気持ちとが伝わってくる。 妻を失った夫と母を失った子のエピソードを描いているけれど、そこから[子供と父親の関係]は[人間と神の関係]の相似形であることを思うところが、私たちの感覚とは異なる。しかしその神はなにか日常的な感覚で捉えられて、やさしい雰囲気が感じられる。 |