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Special * September 2004 Rudyard Kipling |
THE WAY THROUGH THE WOODS
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森の道
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Rudyard Kipling
(1865-1936) Kipling については、2002 January を参照のこと。さらに詳しくは、GANESA へ。 Rewards and Fairies (1910), 'Marklake Witches' の章頭詩。Rewards and Fairies は、Puck of Pook's Hill (1906) の続編。『丘の民』である Puck が過去の人物を呼びだして、イングランドの歴史を Dan と Una 兄妹に聞かせる。教科書的な歴史ではなく、ある時代や出来事が個人の体験を通して描かれる。 何か不思議な静けさの感じられる詩。人がいなくなると、自然は驚くほど速く人の痕跡を消してしまう。そこに入っていくとしたら、少し恐いのではないかと思う。 野生動物に襲われる心配ではなく、自然の力がひしひしと感じられるだろうから。そこに長く留まっていると、自分も同じように消えてしまうのではないか――。 山間の道路を通ると、トンネルや橋の付近に古い道が見つかることが多い。通行止めのバリケードさえ朽ちかけ、その向こうに見える道路は、たった数年でアスファルトが割れて崩れ、草や低木がさかんに生えている。かすかに見えるセンターラインのペイント。路肩は崩れ落ち、山側には土石が積もって、かつてはトラックも行き違っていたはずの道が、極端な細道になっている。 一瞬見えるそんな道に感じるのは、自然の力のすごさと人間の営みの無常。なにかロマンティックでもある。 |