Monthly
Special * September 2003 Philip Sidney |
|
*
|
*
Philip Sidney
(1554-86) Sir Philip Sidney はルネサンスの典型的ヒーローである。エリザベス女王の宮廷で輝く名門貴族、詩人であると同時に他の詩人のパトロンであり、戦場においては勇敢な武人であった。 その格好良さは、スペインとの戦いにおいて自ら致命傷を負いながら、自分が飲もうとした水を重傷の兵士に譲ったエピソードによく現れている。 シドニーは美しい詩を作り、また、『小説』という形式が確立していない時代に散文でフィクションを書いた。しかし、彼の名が文学史上で重要なのは、詩論『詩の弁護』 An Apologie for Poetrie (または The Defence of Poesie )を著したことによる。 当時盛んになった詩や演劇などの文学は、宗教的立場から「有害」であるときびしく攻撃された。文壇の人々はそれに反撃したが、中でもシドニーの『詩の弁護』(死後出版された)は後の時代にまで影響を与えたとして評価されている。 恋愛を「心の交換・やり取り」とするのは、いかにも宮廷ふう恋愛、知的でお洒落な感覚。「戯れの恋」「恋愛ゲーム」。 「本気」はやぼったいのかも。 |