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Special * March 2002 Robert Burns |
(Chorus) |
懐かしい日々
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Robert Burns (1759 - 96) スコットランドの貧しい農家に生まれる。農作業のかたわら詩作を行った。1785年、貧困と家庭問題から逃れるためにジャマイカ島への移住を決意。その旅費を得るために、詩集 Poems, Chiefly in the Scottish Dialect (『主にスコットランド方言による詩集』(1786) を出版したところ一躍有名となり、天才詩人の名声を得た。その結果、移住は行われなかった。 フランス革命に共鳴して立場を危うくしたり、いくつも女性問題を起こしたりと、トラブルの多い人生を送り、最後には遊び好きの生活が健康を害したらしい。 Burns の詩は、スコットランド農民の生活や風俗、そして俗信などに題材を取り、方言を使った素朴な表現に特色がある。また、庶民の立場から、権力や財力を傘に着て奢る人々を諷刺することもしばしばである。 情感を重んじ、詩を知的エリートの独占としない姿勢から、『ロマン派』詩人の先駆けといわれる。 'Auld Lang Syne' は Burns が数多く書いた歌詞の一つで、スコットランドの古い民謡を改作したもの。このメロディーが日本では『蛍の光』に使われている。英米でも送別の歌となっている。 'auld lang syne' は、'old long since' で、「昔」 'old times' のこと。特に、懐かしく思い出される昔。 故郷の幼なじみも、大人になって社会に出ると進む道はそれぞれ。会う機会も多くないだろう。しかし、久し振りで会って酒を酌み交わし、共に過ごした故郷のことを思い出すのもいいものだ。懐かしい日々に、乾杯。 そうして、これから別れていく人々も、いつか懐かしい顔に再会できることを。 |