Monthly
Special * January 2001 Alfred Tennyson |
Crossing the Bar
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砂洲をわたるとき
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Alfred
Tennyson (1809-92) 19世紀Victoria朝時代のイギリスを代表する詩人。Lincolnshire(リンカンシャー)の寒村に牧師の四男として生まれ、Cambridge大学に学ぶ。1830年ごろから詩人として活動。 1850年、William Wordsworth の後を受けてPoet Laureate(桂冠詩人)に任じられ、1884年には男爵に叙せられた。死後は Westminster Abey に葬られている。まさに功成り名を遂げた人物である。 'Crossing the Bar' はTennyson の辞世の作と一般に考えられているが、 実際には1889年に書かれた。本人の遺言により、この詩が全集の先頭に収録されている。 "crossing the bar" 「砂洲をわたる」とは、生と死の境界を越えること。無限の海からこの世に現れた魂が再びそこに帰っていく様を、船出のイメージに重ねている。 "Pilot"(水先案内人)は、ここでは「私を導く存在」としたが、もちろん「神」を意味する。大海原の潮流のように深く静かな信仰に支えられた、「神と向き合う」自信に満ちた死を願う。 そのための揺るぎない人生を、Tennyson は確かに生きたのだろう。その生き方は、功利的・常識的・自己満足的なVictoria朝時代人の標本とみなされることがあるにしても。 Tennyson の作品を読んでみたい方には、ロマンチックに悲しい物語詩 Enoch Arden 『イーノック・アーデン』をお薦め致します。なるべく古い翻訳でどうぞ。 * Poet Laureate: イギリス王室の文官として終身任命される、詩人の称号。戴冠式などの王室行事やその他の公式行事に際して詩を作ることになっているが、義務ではない。 * Westminster Abbey: ウェストミンスター寺院内の、Poets' Cornerと呼ばれる一角に、有名な詩人・作家たちの墓所や記念碑がある。 |
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