Monthly
Special * February 2001 Ben Jonson |
Hymn to Diana Queen and
Huntress, chaste and fair, |
月の女神を贊えて 女王にして狩人、純潔かつ美なるものよ、 |
Ben Jonson (1572-1637) Elizabeth 朝時代の劇作家。Shakespeare の最大のライバルであった。Jonson の最初の傑作 Everyman in His Humour 『十人十色』のキャストには Shakespeare も含まれていた。 戯曲、仮面劇、詩、批評など多くの分野で活躍し、一時は文壇の大御所と目された。1616年(Shakespeare 没年)には国王 James 一世のもとで実質的に初代の Poet Laureate となっている(正式には任命されていない)。 James 一世の没後は急速に勢力を失い、晩年は不遇であった。しかし彼の才能に対する同時代人の評価は、"O rare Ben Jonson" 「類稀なるベン・ジョンソン」という、Westminster Abbey にある墓碑銘に要約される。 作風は Shaespeare とは対照的に古典主義的で、その笑いは風刺精神にあふれている。 この詩は月の女神 Diana に捧げる賛歌である。感情的になることなく、まさに古典主義的に整った、美しい1枚の絵という印象を与える。 「銀の玉座」「真珠の弓」「水晶の箙」と美しい視覚的イメージ、惑星を擬人化する宇宙感覚、そして古典としての神話。<こころ>でなく<頭>で感動する詩と言えばよいだろうか。 Poet Lauriate と Westminster Abbey については January 2000 を参照のこと。 |