Back

アポロン: [Apollon]。ローマ神名アポロ[Apollo]。詩・音楽・予言・弓術・医術その他を司る、古代ギリシアの文明と知性を代表する存在であった。太陽神とも同一視される。持物は月桂樹の冠。狩猟と月の女神アルテミス(ローマ神名ディアナ)とは双子のきょうだいで、共に弓の名手とされる。

ヒュアキントス: [Hyacinthus:英語読みハイアシンサス]。ギリシアはスパルタ生まれの美少年。

アポロンは美少年ヒュアキントスを愛し、大変かわいがっていた。どこへ行くのにもお供をさせた。

ある時二人は円盤(または鉄の輪)投げに興じていたが、アポロンの投げた円盤があやまってヒュアキントスの額を直撃。その傷は深く、いかにアポロンといえども、どうすることもできなかった。

美少年は死んだが、その傷から流れ出た血はあたりの草を染め、そこから美しい花が生まれた。ユリに似て、しかし色は白ではなく紫であった。アポロンは自分の悲しみを「AI, AI,」(悲し、悲し)と、その花びらに記した。

同じくヒュアキントスを愛した西風の神 ゼフュロス[Zephyr]が嫉妬して、事故が起きるように風を吹かせたのだともいう。

少年愛である。神様の守備範囲は広い。 しかし、失った美少年の記憶を花に留め、その名を後世に残す誠実さは、さすがアポロンというべきか。 この神は浮気で名高いゼウス[Zeus](=ローマ神ユピテル[Jupiter])の息子だが、父親の困った性格はあまり受け継いでいないようだ。

この話の<ヒュアキントス>という花は、我々の知っているヒアシンスであるとは限らない。 現在一般に栽培されるヒアシンスは、オランダで改良されてきた系統である。それに大体、似合わない。アイリスの一種に、この花の特徴に合致するものがあるという。

逆の配役はちょっと無理。
「男の友情編(1)」という2ページコメディになるはずだったのですが。


・LIST・