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アポロン: [Apollon]。ローマ神名アポロ [Apollo]。詩・音楽・予言・弓術・医術その他を司る、古代ギリシアの文明と知性を代表する存在であった。太陽神とも同一視される。持物は月桂樹の冠。狩猟と月の女神アルテミス(ローマ神ディアナ)とは双子のきょうだいで、共に弓の名手とされる。

ダフネ: [Daphne・英語読みダフニー]。ギリシアの河神ペネイオス [Peneios]の娘。

自分の弓のことでアポロンにプライドを傷つけられた愛の神エロス(クピド)は、仕返しに、アポロンには恋心を燃やす金の矢を、美しい河神の娘・ニンフのダフネには恋をはねつける鉛の矢を、それぞれ打ち込んだ。

一目で恋に落ちて追いかけるアポロン、懸命に逃げるダフネ。もうつかまってしまう!

父なる河のそばまで来て力つきそうになったダフネは、自分の姿を変えてくれるよう、父に祈る。すると、彼女の体は見る間に月桂樹の木に変わっていった。

アポロンは悲しみにくれながら月桂樹に語りかけた。「せめて私の樹になってほしい」と。

それ以来アポロンは月桂樹の冠をちゃんと愛用しているので、誠意は認めたい。しかし、考えてみればダフネは、つまらない男の意地のとばっちりで木になってしまったのである。これも割が合わない話だ。
なお、この物語に登場するエロスは、おなじみの<お子様>姿である。

男性美の理想像として、常に若く美しい青年の姿で表されるアポロンは、元祖美形ヒーローといえるかもしれない。
しかし、子持ちだった。もっとも有名なのがパエトン(ファエトン)。父親の日輪の馬車を暴走させて天界にも地上にも大迷惑をかけ、ゼウス(ユピテル)に稲妻で撃墜されて死んでしまう、不肖の息子である。(ローマ神名ユピテル[Jupiter] の英語読みがジュピター。)

出光のガソリンはかつては「赤アポロ(レギュラー)」「金アポロ(プレミア)」だった。またご存じエンジンオイルは Apolloil だが、ダフニーオイルというのもあったはず。なかなかブンガク的な企業である。

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