レポート 020201
レポート課題: バレンタインデーを演出せよ
標題: バレンタインデー

へーぇ、「バレンタインデー」ねえ。聞いたことねぇなあ。

ふーむ、歴史あるわが祖国英国にも存在せぬものであろうからして。

漢字ではどう書くアルね?

あ、おい、アルベルト、「バレンタインデー」って聞いたことあるか?

なんだ?それは。おおかた、日本の商魂たくましい連中がでっち上げた「何とかの日」ってのだろう。ジョーなら知ってるんじゃないか?

ジョーが聞いてるのことアルね。

ああ?

な、このあいだジョーが落ち込んでたときに、イワンがサイコ・トリップさせただろ? そのときに、どこかわからない世界に入り込んじまって、そこで見てきたってんだよ。

ジョー、ひどい目にあったのか?それで。

そうじゃないんだよ。その世界ってのは、いくつか行ったみたいなんだけど、どこもこことほとんど同じで、自分もみんなもちゃんといるんだ。ただ、住んでる所とか研究所の建物とか、年恰好とか、そういうことが少しずつ違ってるだけでさ。

ふん、平行宇宙、ってやつだな。

そこで見たのが、とても楽しそうだったんだ。チョコレート売り場がすごく賑やかで・・・、向こうの世界のフランソワーズが、たくさん買ってたよ。

チョコレート?

推測するに、それは向こうの世界の我々へのプレゼントではあるまいか。

だろうな。でもそれ、面白そうじゃねぇかよ。

美味なるものはすべからくコレ幸福なりとは、誰も言ってなかったアルかね。

な、みんなでチョコレートやキャンディーなんか持ち寄って、わっと取り出して交換するっ。何が出てくるかわからねぇって、それ、すごくエキサイティングでメリーで、ハッピーだぜ。
おいアルベルト、そんな難しい顔してねぇで付き合えよ。ハッピーならいいんだよ、何だって。

ああ、わかったよジェット。いかにもお前さんらしい発想だよ。 なあ、ジョー。

うん・・・。

[なぜこうなるのだろう、と思うジョーとアルベルトであったが。]

そうだ、「バレンタインデー」ってのは2月14日だったって、言ってたよな、ジョー。
あ、みんな、日本円で\3000までだぜ。

[かくして、その日を目指し、サイボーグ戦士達はチョコレートを入手すべく街に散った。]

[ジョーは、向こうの世界のチョコレート売り場でフランソワーズしか見ていなかったために、そこにいるのが女性ばかりだということに気づず、したがって「バレンタインデー」の趣旨に関する重要な手がかりが得られなかったのである(たぶん)。]

[いついかなる場合も正確な状況把握と冷静な判断が要求される戦士としては、これは失格ではあるまいか。]

[まあしかし、楽しければいいだろう。落ち込みから回復させるためのサイコ・トリップだったのだから。]

[落ち込みとは無縁のジェットが一番楽しんでいるようではあるが。]



提出者: えっと、だから、石ノ森章太郎の原作マンガには「バレンタインデー」って出てこなかったと思うので、その世界には存在しないんじゃないか、って・・・。(汗)

審査員: 勝手に決めてもらっては困るんだよ、キミ。 ところで、\3000に果物は含まれるのかね?

 

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