Monthly Special * July 2005
 Gerard Manley Hopkins

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Binsey Poplars
FELLED 1879


My aspens dear, whose airy cages quelled,
Quelled or quenched in leaves the leaping sun,
All felled, felled are all felled;
  Of a fresh and following folded rank
        Not spared, not one
        That dandled a sandalled
      Shadow that swam or sank
On meadow and river and wind-wandering weed-winding bank.
  O if we but knew what we do
      When we delve or hew――
    Hack and rack the growing green!
      Since country is so tender
    To touch, her being so slender,
    That, like this sleek and seeing ball
    But a prick will make no eye at all,
    Where we, even where we mean
        To mend her we end her,
      When we hew or delve:
After-comers cannot guess the beauty been.
  Ten or twelve, only ten or twelve
    Strokes of havoc unselve
      The sweet especial scene,
    Rural scene, a rural scene,
    Sweet especial rural scene.






ポプラ
(1879年 倒される)



私のポプラ、天空にかざした籠となって
繁る葉が 踊り跳ねる陽の光をおさえ
おさえて 和らげていたのに、
みんな倒された、切り倒された、すっかりみんな。
    ずらりと並んだみずみずしいポプラが
        一本も ただの一本も残らずに。
        泳いだり潜ったり
      サンダル履きの影を ゆらしていたのに
草原で 川で 風のさすらう草絡む土手で。
    人が知ってさえいれば!
      掘り起こし 切り倒し――
    命ある緑を切り刻み苛むことの意味を。
      自然は人の手に傷つきやすいものだから、
    その命は 本当にかよわくて、
    このなめらかな目の玉が
    針の一突きで損なわれてしまうのと同じだから、
    人がよかれと思ってやることでさえ
        自然の息の根を止めるのに
      それを切り倒し掘り起こしたりすれば。
のちの人々は かつての美しい風景を想像すべくもない。
  十たびかそこらの、たった十たびかそこら
    打ち下ろした破壊の力が
      美しくかけがえのない景色を抹殺する、
    田園の風景を、田園の風景を、
    美しくかけがえのない田園の風景を。





Gerard Manley Hopkins (1844-89)

オックスフォード大学で Jowett や Pater に学んだのち、1866年にカトリックに改宗してからは Newman の教えを受けた。1868年にイエズス会に入り修道生活を始める。のちにダブリン大学のギリシア語教授となる。

宗教詩を中心とした彼の作品は生前に発表されることはなく、Robert Bridges がまとめた最初の詩集が1918年になって出版された。


1行目の "aspens"が「ポプラ」にあたる。スコットランド高地地方に伝わるところでは、この木はイエスが架けられた十字架の材であり、ゆえにこの木の葉は(その罪に)震え休むことがない。

ポプラは水辺や地下水位の高い土地でよく育つ。川や池の風景を描いた絵画にしばしば登場して、涼しげな効果を出している。



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