MONTHLY SPECIAL * May 2000
 George Gordon Byron

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'When we two parted'

When we two parted
 In silence and tears,
Half broken-harted,
 To sever for years,
Pale grew thy cheek and cold,
 Colder thy kiss;
Truly that hour foretold
 Sorrow to this!

The dew of the morning
 Sunk chill on my brow;
It felt like the warning
 Of what I feel now.
Thy vows are all broken,
 And light is thy fame:
I hear thy name spoken
 And share in its shame.

They name thee before me,
 A knell to mine ear;
A shudder comes o'er me--
 Why wert thou so dear?
They know not I knew thee
 Who knew thee too well:
Long, long shall I rue thee
 Too deeply to tell.

In secret we met:
 In silence I grieve
That thy heart could forget,
 Thy spirit deceive.
If I should meet thee
 After long years,
How should I greet thee?--
 With silence and tears.

 

*** ***

 

僕たち二人が別れたとき

僕たち二人が
 黙って涙で別れたとき、
何年か逢えないことに
 胸がつぶれる思いをして、
君の頬は青ざめ、冷たくなっていたけれど、
 君のキスはもっと冷たかった。
本当に、「あの時」が
 この悲しみを予言していたんだ。

朝露が僕の額に
 冷たく降りていた。
それは 今僕が思っていることへの
 警告のような感じだった。
君の誓いはみんな破られ、
 君のうわさは 浮いたものばかり。
君の名前が口にされるのを聞くと
 僕まで恥ずかしくなってしまう。

あいつらが僕の目の前で君の名前を出す、
 僕には弔いの鐘に聞こえる。
身震いする−−−
 なぜ君はあんなにも愛おしかったのだろう。
君自身をよく知っていた君を
 僕が知っていたことを あいつらは知らない。
長い長い間 僕は君を悲しむだろう
 悲しすぎて言葉にできないくらい。

僕たちは内緒で逢っていた。
 僕は黙って悲しんでいる
君の心が 忘れたなんて
 君の情が 僕を裏切ったなんて。
もし何年も経って
 僕が君と会ったりしたら、
僕は君に何と言ったらいいのか−−−
 やっぱり 黙って涙を流すんだろう。

 

*** ***

 

George Gordon Byron (1788-1824)

 ロマン派の詩人。男爵。放蕩無頼・女性遍歴・社会の反逆児・社交界の寵児・追放・ ・ ・ ・ ・人生そのものが<バイロン的>である。

 1816年に世論の圧迫から逃れてヨーロッパ大陸に渡り、以後イギリスに帰ることはなかった。大作 Don Juan をはじめ、彼の数々の傑作は大陸放浪の間に生み出された。 1823年、新たな活躍の場を求めてギリシア独立戦争に参加すべく出発、翌年マラリヤ熱によりギリシアのミソロンギで死亡。

 この詩は1816年の『詩集』に収められた作品。この中に出てくる「君」がこうなってしまったのは、いったい何が原因だったのか。

 

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