1871年


The House of Desolation

当時の在印イギリス人の子供は、インドの過酷な気候を避けるため、また教育を受けるために、イギリス本国に送られることが多かった。

Kipling は Hampshire の Southsea にある Holloway 夫妻の家(Lorne Lodge)に下宿し、地元の学校に通うことになる。彼は 1877 年までの 5年3ヶ月、妹 Alice は 1880 年まで、この家で過ごした。

しかし、Kipling は Hollowey 夫人との折り合いが悪く、さらにその息子のいじめに遭う。Holloway 氏は Kipling を庇ったが、1874 年に彼が死ぬと、Kipling と夫人との関係は悪化した。

'Baa, Baa, Black Sheep' (1888) 、'The Light that Failed' (1890)、'Something of Myself' (1937) に、この間の経験が取り上げられている。Kipling は、'Baa, Baa, Black Sheep' で、主人公の少年 Punch が預けられて暮らす家を 'The House of Desolation' と呼んでいる。

なお、Kipling の両親はこの夫妻とまったく面識がなく、新聞の広告を見て子供たちを預けることに決めたのであった。

この間、Kipling は数回の学校休暇を伯母の婚家 Burne-Jones 家で過ごしており、それが大きな救いとなっていたようである。